ノアールとセピア 短いお話、 十夜 木漏れ日 

0430

ゴロゴロゴロロ
目を明ける
喉を鳴らす黒猫ノアール

ひのひかりが見えて
嵐で落ちた枯れ葉枯れ枝が散らばっています。
どうやら戻ってきたようです。

地上の嵐も吹き止んで

静かに木漏れ日揺れている。

おや、とりかごが落ちてる。

セピアはとりかごを拾ってノアールと一緒にお家に帰りました。

おしまい

おしまいですが
おわりの始まり
時々出てくる
ノアールとセピア
そしてとりかご男をよろしくお願いいたしまあす!

ノアールとセピア 短いお話、 九夜 虹の粒子

小さな話し声が瞬いています

ひかりのつぶやき

光の粒子
細かい水滴
ぶっつかり合って

七色に輝きながら
あたりを包みました。
寂しくて錆びついたワイヤーに虹の粒子が入り込んで行きます。
胸にある鳥も粒子に染まって行きました。

ノアールとセピアは
虹粒子にすっかり酔っ払ってしまいました。

そらからどのくらいたったでしょう。
なにもかもわからない闇の中を
闇雲に歩いているような心持ちでいるさなか

ゴロロゴロゴロ音がする,雷様のおとかしら?

明日に続く

ノアールとセピア 短いお話、七夜 さかさまの

さかさまの

とりかご男は、遠くを見ています。
紳士のセピアは、
「もし、君が誰かに閉じ込められたら?喜ぶかい?」と言ったのです。

「もし、青い鳥が君の幸せなら、どこかに飛んで行った方が飛んで行った所で幸せになってたら」
「うまく言えないけど、いなくなっても幸せな気持ちにならないかなぁ」

とりかご男は、遠くを見ています。

さかさまに雨が降っていや登りはじめました。

さかさまの雨は、もとの次元に戻る前ぶれかも知れません。
セピアは、とりかご男の目をじっと見つめました。

 

 

あしたにつづく

ノアールとセピア 短いお話、六夜 青い鳥

青い鳥

青い鳥青い鳥

ノアールを捜しながらも 紳士のセピアの頭の中は、

青い鳥のこと、 とりかご男のことでいっぱいになっていた。

「あの青い鳥が青い鳥でないなら、とりかご男にとっての青い鳥とはいったい何だろう。」

きおとられていたからか

意識が青い鳥のことに向いていたから、

黒猫ノアールはセピアが近づくのも気づかず捕まって、

紳士のセピアはノアールを捕まえたつもりもないまま捕まえました。

 

 

あしたにつづく

ノアールとセピア 短いお話、第五夜 とりかご男

とりかご男

とりかご男は、ぼそぼそと
ひとりごとか、聞いているのか
つぶやくように言うのです。
「青い鳥をさがしてほしい」
「青い鳥がいたころは、僕は、あんなに幸せだった。」
「青い鳥がいたなら、どんなに幸福になれるだろう」
紳士のセピアは答えました。
「青い鳥ならそこにいる、ほら、君の心臓あたり
それから、目の前にも飛んでいるじゃないか」

とりかご男は、聞いているのか、ひとりごとか
繰り返し言うのだった。
「青い鳥をさがしてほしい」
「青い鳥がいたころは、僕は、あんなに幸せだった。」
「青い鳥がいたなら、どんなに幸福になれるだろう」
セピアは、もう答えない。

さっき、とりかご男のひざのところにいた、黒猫ノアールを
また見失ってしまったのです。

船をだして、ふりかえると、鳥かご男は、塔のように
じっとして、遠くをみているのでした。

ノアールとセピア 短いお話、第三夜 透過忘失

回遊透過

身も心も透過して記憶が流れ出ていくと
紳士のセピアは目をつむり静かにまわりをながめてる

羊のひつじが立っていて、林檎が3つなっている

数年前のプラットホームから
自分が自分を眺めている

そろそろ空気が、満ちてきて
泡立つような音がする
なにかが空気を寄せてくる
しづかにゆっくりやってくる。

あしたにつづく

ノアールとセピア 短いお話、第二夜 透過町

透過町嵐が止んであたりが見えて

見えてきたのは透き通る細胞壁で

繋がって細胞膜で出入りして

浸透圧に左右され平衡になるまで流される

そんなとこでもノアールは、

いつものように登る屋根

つたう枝さえすり抜ける

やがては見失うだろう

透過町は遠くまで

見渡すこてはできるけど

近づくことはむずかしい

あしたにつづく

ノアールとセピア 短いお話、第一夜 嵐とノアール

透明な
第一夜

嵐の日には、透明な空気もフィトンチッドも舞いあがり、粒子の段階で、家の中にも、心の中にも降り積もる。

なんせ、こんなに激しい嵐の夜に、落ち着いていられる生き物は、そうはいない。

黒猫のノアールは、シュレーディンガーの猫よろしく、家の中から木の上に、そしてまた別の次元に行こうとしています。

紳士のセピアは、あきれてしまう。さっきまで、のどをならしていたかと思うと、あっという間に忍者のようにどろんと消えて。ノアールのきまぐれは、いつまでもなおらない。

嵐の吹き荒れる北九州、工房裏の森の野ネコは、どうやって過ごしているのでしょう。小さなつづきのお話です。

あしたにつづく。
不明な部分は、気にせずに読んでいただければ、ありがたきしあわせ。

10年前のポケット

10年前のポケット

ポケットの

10年後のセピアはポケットの中。
さらに10年後の事を考えながら。
キオクの劇場をノアールが歩いています。

10年前のワールドカップを思い出しながら
10年後をイメージしてみます。

ももいろ月と幻像の夜に

幻像の夜に
ももいろ月と幻像の夜に紳士のセピアは滑り台に座って、明滅しているセロファン窓を眺めています。
黒猫ノアールは、光る道の上をあるいています。

ノアールとセピアのお話の前の序曲、前口上その2。